EU外務・安全保障政策上級代表
世界の中のEU――外務・安全保障政策上級代表
欧州連合(EU)の外交政策は、民主主義、法の支配、人権、人間の尊厳の尊重、平等、および国連憲章や国際法の原則の尊重といった、EU創設の原動力となった諸理念に基づいています。
外交問題においてEUを代表するのは外務・安全保障政策上級代表です。EUの外務大臣にあたるこの職に現在就いているのは、フェデリカ・モゲリーニです。
上級代表は、EUの外交・安全保障政策、すなわち共通外交・安全保障政策(Common Foreign and Security Policy=CFSP)と共通安全保障・防衛政策(Common Security and Defence Policy= CSDP)の調整および実施の責任を与えられています。
その職務範囲は広く、EU内で外交政策に関するあらゆる職能を一つに束ねるため、上級代表は欧州委員会の副委員長も兼務します。上級代表の職務には次のものが含まれます。
- EUを代表して外交の舵取りを行う
- 開発援助、通商、人道援助および危機対応といった、EUの外交政策ツールの調整を図り、地政学的な展開について、欧州委員会に報告する
- EUの外交の舵取りを行う欧州理事会で加盟国の首脳との会合に出席する
- EU外交政策に関する加盟国の意見をまとめ、月例のEU外務理事会(外相会議)の議長を務める
- 国連等の国際的な場でEUを代表する
上級代表を補佐するのがEUの外務省にあたる欧州対外行動庁(EEAS)で、同組織にはEU職員のほか、各加盟国の外務省の専門家も働いています。本部はブリュッセルにあり、世界各地に代表部(大使館に相当)を置いています。そのうちの一つが東京にある駐日EU代表部です。
Updated 2015.05.11